リンパドレナージュ
MLD (Manual Lymphatic Drainage)

 

リンパ管は全身にくまなく分布し、合流しながらしだいに太くなってゆきます。リンパ管の大きな合流点をリンパ節またはリンパ腺といいます。これらが協同でこの複雑なシステムの機能をはたしています。リンパ節は主に頚部(耳の下から首)、鎖骨の下、胸部、腋の下、腹部、鼠径部(脚の付け根)に集中しています。下の図は頚部リンパの流れを示しています。

 
 
そもそもリンパ液ってなんでしょう?
どうして“むくみ”がでるのでしょうか?
どうして水分が皮下組織にいくのでしょう
一度リンパがつまったら、ずっと溜まったまま!?
浮腫まない人、浮腫む人
マッサージで浮腫みをとろう
ダメージ細胞を早く排除すると早く治癒する(やけど傷)
 

『リンパ浮腫』の方はこちら>>1〜7までをご覧くさい。 << 工事中

そもそもリンパ液ってなんでしょう?


リンパ管システムは、結合組織(皮下組織)にある過剰水分タンパク質老廃物などを、リンパ液の流れるプロセスにおいて浄化濾過濃縮した後、血流へ運び込む役目をします。

人間の体の役60%〜70%は水分(体液)だと言われています。その水分を大きく分けると、『細胞の内部の液』と『細胞の外部の液』に分けられます。細胞の“外”にある体液は、全体の約13分の1ほどですが、とても大切な働きをします。

細胞外にある体液はさらに以下の2種類に分けられます。
)血管内の液“血液”
)組織間液 及び リンパ管液

一日に約2400リットルの血液が、心臓から動脈をとおって排出されます。
太い動脈から

徐々に細い動脈を経て、

最終的に心臓から一番遠い、皮膚表面の毛細血管に至ります。

毛細血管の壁には隙間があり、そこから一日に約20リットルほどの血液成分の一部が血管の外に漏れ出ます。それら血管外に漏れ出た血液成分の一部には、水分ガス、電解質その他の小さな溶質、と少量のタンパク質が含まれています。外にでたそれらの成分は、血管の外である“軟組織の隙間”に出てゆき細胞によって使われます

細胞が使った後、約16〜18リットルの液が、再び毛細血管静脈側に入っていきます。この血管外に出た量(濾過量)と再び血管内に入った量(再吸収量)の2〜4リットルがリンパ管に入ってリンパの流れとなり、各経路を経て静脈へ環流します。このリンパ管内の液をリンパ液といい、蛋白や脂肪を多く含んでいますが、赤血球は含まず、淡いクリーム色をしています。


どうしてむくみがでるのでしょうか?

動脈から送られてきた“水分と蛋白質”が、組織の細胞によって使われた後、水分は“静脈”へ、残りのタンパクは“リンパ管”へと流れ込みます。このときに、蛋白を排除するリンパ管がうまく機能しないと、詰まりが生じます。

リンパ管に入れなかった蛋白は血管外の皮下組織の隙間に溜まってしまうことになります。すると組織間隙中の蛋白濃度は徐々に高くなってきてしまいます。蛋白質が多くなっただけでは、腕や脚はむくみません。むくみは蛋白が水分を惹きつける性質をもっているために起こります。

どうして水分が皮下組織にいってしまうのでしょう

毛細血管内の圧は水分を血管“外”に押しだそうとしていて、血管内の血液の膠浸圧(水をひきよせる圧)は水分を血管“内”に引き寄せるように働いています。通常、血管の外の皮下組織の間の隙にある液も、“水分を押し返す力”をもっていて、血液と逆の働きをします。

動脈側では水分は血管外に濾出され、内から外への水分移動が起こります。静脈側では外から内への水分移動(再吸収)が起こり、水分は吸収される事になります。

そしてそのがリンパ流になるのです。

これらの圧力の関係は、正常な状態ではバランスがとれているので、皮下組織での水分の貯留(むくみ)は起きないといわれています。(スターリングの仮説)
しかしバランスが崩れると、組織間隙内に水分が溜まりむくみがおこります。リンパ浮腫などの症状は、組織間隙内の液の蛋白濃度が上昇するために、このバランスが崩れることで起こります。

一度リンパがつまったら、溜まったまま!?

リンパ管やリンパ節がダメになった場合、組織間隙に溜まった蛋白と水分は排除されないのでしょうか?そんなことはありません、一部のリンパ管が障害をおこしても、身体の機能は一生懸命なんとか蛋白を心臓へもどそうとして働きます。手術などでリンパ管が切除されても、リンパ液は細々と脇道を流れようとします。ちょうど主要道路が工事中で通れなくて、迂回して裏道を回って車を走らせるようなものです。しかし元々の機能が正常に働いていないので、人為的にマッサージなどによって外部から動かすことが必要です。

このリンパ液の“裏道”は、主に皮膚表面近くに多数存在しますので、軽くさするだけでリンパの流れが良くなります。リンパ管は静脈より遙かに細い管ですが、性質は静脈に似ています。手の甲に浮き出ている静脈を軽く触ると、つぶれたり流れたりしますが、リンパ管も似ています。逆にきつく締め付ける下着などでくびれができるとリンパ流は簡単に止められてしまいます。リンパの流れの邪魔をしない為には、皮膚をへこませるようなきつい衣類は避けた方がよいでしょう。

 
浮腫まない人、浮腫む人

健康な体はむくみはありませんし、むくんだとしてもすぐになくなります。皮膚と筋肉などの間にある結合組織(皮下組織)には弾力のある繊維があり、皮膚と筋肉などの軟組織をお互いにしっかりと引きつける働きをしています。健康な皮下組織には、弾力繊維が存在するために、それらの繊維が強く引っ張りあい隙間がなくなっています。なので健康な皮下組織には水や蛋白が溜まることができず、むくみの液が入り込んだとしても、弾力繊維が収縮して水分を静脈やリンパ管に押し出してしまうのです。

動脈から押し出された水分は、強い皮下組織間隙内の圧におされて、圧の低い静脈内に押し込まれます。また、弾力繊維の他に、皮膚の張り具合も関係しています。皮膚がピンと張っていると皮下組織圧は高まることができます。たるんでいて皮膚自体が弱いと弾力繊維が強く引っ張っても組織圧はできません。

身体の弾力繊維が切れてしまった箇所が多いと、皮下組織内は隙間だらけになり、むくみの水分が溜まっても静脈に押し返す力がなくなってしまいます。また、長くむくみの液があると、皮下組織の弾力繊維は伸びきって切れてきて、収縮することができなくなってきてしまうのです。よけいなむくみは早く排除すると、皮下組織を正常に保つことができます。その日のむくみはその日の内に取ることが大切です。

 
マッサージで浮腫みをとろう

まず最初に、身体の表面にあるリンパの流れの大きな分岐点“リンパ節”あたりをマッサージしましょう。
頚静脈(首の付け根)

胸腹部

“鼠径部”か(“腋の下”)

脚または(腕)
心臓の方向にマッサージしてゆきます。
そして次に大腿、ふくらはぎ、足(上腕、前腕、手)の順に各部をリンパ節に向かってそっとマッサージすると、リンパの流れを促進する助けになります。

また、他者からリンパマッサージを受けるときには、アメリカのエステシャンの間で行われている“美容目的”のリンパ・ドレナージュと、リンパ浮腫などリンパ管や皮下組織に問題や障害がある時に行われる“施術目的”の“リンパ・ドレナージュ”との違いにご注意ください。アメリカやヨーロッパでのDr. Vodder 直属のトレーニング機関では、エステシャンの為の美容目的のクラスと、プラクティショナーへの治療の為のトレーニングコースとは、まったく別枠で行われております。
 
 
ダメージ細胞を、リンパを通して早く排除すると“早く治癒する”(やけど傷)


多くの免疫作用は、リンパ節内で行われます。リンパの通り道が滞り始めたり、詰まったり、ダメージを受けたりすると、余分な水分や老廃物は結合組織に蓄積し、浮腫みの症状をひき起こします。そして細胞の病変がはじまってしまうのです。傷を受けた組織や慢性的な炎症などでダメージがある箇所では、ダメージを受けた細胞、炎症生成物、毒素をリンパ・システムでその箇所から排除してしまう必要があります。これらがより早く機能すると、より早く治癒します。

“施術目的”の“リンパ・ドレナージュ”の効果は多く、通常「神経系」「平滑筋」(内臓壁,血管壁を構成する不随意筋. )「結合組織間の水分移動」「免疫機能」に影響を与えます。リンパ管はポンプ作用やストレッチ効果によってリンパ液を動かしています。MLD(リンパ・ドレナージュ)はリンパ管の収縮を刺激し、リンパ液を前進させる助けをします。

 

 

ヨーロッパでDr. Vodder により開発された、MLDの“認定プラクティショナー”によるリンパ・ドレナージュの施術は、以下の症状などにも用いられています。

静脈機能不全、感染でない炎症(捻挫や筋肉のツレ)、潰瘍、皮膚の症状、循環機能障害、スポーツでの怪我、やけど、整形手術前後の処置、一次性や2次性リンパ浮腫
 

工事中 リンパ浮腫>1〜7ページまでをご覧くさい。

 
参考文献
PT Pugliese, L. Garafallou, 1996, "Lymphatic rinciples and Practice of Ophthalmic, Plastic and Reconstructive Surgery"
“「リンパ浮腫」知って”芳賀書店、廣田彰男著
Dr. Vodder MLD 資料


SiteMap

TOP Page