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感情の分子学

なぜ感じたり感情が沸いてきたりするのでしょう?
『私たちの体は“潜在意識”である』という事の科学的所見からのお話です

細胞の脳 = 神経ペプチド受容体
一つの神経組織(神経細胞)には数億の受容体が含まれています。「“細胞の脳”とはその細胞膜の事で、すなわちそこに浮かんでいる受容体の事をいう」と科学者であるブルース・リプトンは定義しています。受容体とは“アミノ酸”の一連のヒモで、ビーズのネックレスのように繋がった一つの分子であり、これはおそらくもっとも複雑な分子であるとされています。受容体は振動し、激しく横揺れし、細胞を包む分泌液をとおして放散される“メッセージ”を受取るのを待ちながら、形を変形させるかのごとく低い持続音を発します。
“リガンド”とは受容体に適合する化学分子のことで、その工程を“結合”又は“分子レベルの性交”と呼びます。パート博士は「ハンズオンヒーリングで感知されるエネルギーの波動は、リガンドが受容体と結合する時の“複雑な低持続音のダンス”によるものである」と提唱しています。リガンドには3種類あります。リガンドの95%ほどは“ペプチド”、他の2種は“神経伝達物質”と“ステロイド”です。“ペプチド”はアミノ酸より小さい一連のヒモで、インシュリン、ステロイド性ホルモンを除くホルモンなどがそれに含まれます。
ポール・マクレーンは、はじめて脳を「3つの層を持ち進化論を象徴するものである」と説明しました。呼吸や体温の調節などの自律神経系機能を司る“脳幹”;感情の源であり、脳幹の上部を取り囲む“大脳辺縁系”;理由づけに関与する前脳の中の“大脳皮質”の3層です。チンパンジーは99%私達と同じDNAを持っていますが、発達した前頭皮質を持っていません。前頭皮質は20代前半までは未発達です。十代の若者達の行動と関連付けると分かりやすいでしょう。
85〜90%の神経ペプチド受容体は、小脳扁桃、海馬体、辺縁皮質、を含む“感情の中心(大脳辺縁系構造)”の中にみられます。1920年代以来、研究者達は電気的に小脳扁桃の上から辺縁皮質に刺激を加えることで、強く感情を刺激することに成功しています。パート博士の科学研究チームは、五感からの情報が神経システムに入ってゆく交点あたりに、もっとも“神経ペプチド”が集中して存在することを発見しました。脳の中のほとんど全てペプチドのため、免疫細胞上にも受容体が見られます。“免疫システム”はそのペプチドを通して脳からの情報を受取ったり送ったりすることが出来るので、脳はこのネットワークの中の別の“交点”にすぎないのです。

 

 抑圧された感情の記憶は、体の中の受容体に貯蔵される
受容体レベルにおいての変化は『分子を基盤とする記憶』ですから、神経ペプチドをによって、私達の心と体の繋がり(ボディーマインド)は感情や行動を抑圧したり、回復させたりするのです。私達の記憶は脳と共に体にも記憶され、特に神経と神経節(ガングリア)と呼ばれる細胞体の間に貯蔵されています。
私達はあることに注意を払い、またある事は無視しますが、ある意味ではそうしてゆかなければ圧倒されて参ってしまいます。「感情のプロセスは“感情の原動力”でありその感情はペプチド・リガンドである」とパート女史は述べています。ペプチドは音符、音句、リズムを含む楽譜であり、それはまるでオーケストラ(私達の体)が統合された存在として演奏しているかの様です。したがって、記憶と行動は人の“ムード(機嫌)”に作用されているのです。1つのペプチドに1つの気持があるのです。
彼女は「抑圧された感情は、神経ペプチドリガンドの解放を経由し潜在意識によって身体に貯蔵され、それらの記憶は受容体に留まる」という見解を持っています。したがって“感情”とは物質と精神の間を行ったり来りしながら互いに影響し合っている‘物質と精神’の結びつきであるといえます。持続的な感情の抑圧は、精神身体におけるネットワークに大きな乱れを引き起こしてしまいます。
“心理的抵抗”のようなストレスを生み出す感情状態をそのままにしておいては良くありません。ペプチドの流れが不充分な状態は、細胞レベルでの機能を維持する為の身体からのシグナルなのです。ボディーマインドネットワーク(心身の繋がりの構造)は、未消化の感情における抑圧されたトラウマの中へ帰することにより、重荷を追ってしまいます。そしてそれはずぶずぶと深みに沈んでゆき自由に流れることができなくなって、時に‘相反する目的’へ向かってしまうこともあるのです。

 

幸福感が健康的な身体システムの要
1950年代から行なわれている実験で、癌細胞を移植したネズミをストレスのかかる状況におくと、より癌の発育が早くなるという研究結果が出ています。呼吸、ブロックのない流れ、免疫、消化、排泄など、ペプチドの流れによって統制されている自律神経の変化によるものが大きなストレスの原因となり、そうなるといくつかの回路が崩壊し、通常の治癒反応を狂わせてしまうのです。長期間埋葬されていた思いや感情を表面化させてくれる“瞑想”はペプチドを再び流れさせ、身体に戻り、感情が癒される方法なのです。
“幸福”とは、私達の生態化学感情(神経ペプチドとその受容体)が、精神身体ネットワークを通して開き自由に流れ、身体のシステムが統合され釣り合いをもち、臓器と細胞がスムーズでリズミカルな動きをしている時に感じるものです。“幸福”が私達にとっての自然な状態であり、“至福”はそのハードウエアーです。私達のシステムがブロックを持ち、閉じてしまい、乱された時に、それらがどんどん加算されていって不幸な気分にさせられ究極的に“機嫌が悪い障害”を経験するのです。

 

鬱病の抗鬱剤のもたらす副作用
これまで‘鬱状態’とは、「脳細胞によって分泌される神経化学物質であるセロトニンの欠乏によるものである」と伝統的に説明されてきました。これらの化学物質は一つの細胞によって噴出され、そして他の細胞の受容体に化合します。もしも液体の噴出が多すぎると、過剰分をその細胞は再び吸収してしまいます(再取り込みメカニズム)。プロザックのような‘抗鬱剤’はこのメカニズムを遮断し過剰なセレトニンを受容体にほとばしらせます。しかし、セロトニン受容体は腸の周りに位置しているという問題点があります。
“感情を表現する事”は、前脳やその他の臓器への滋養供給を破壊する原因となる‘滞った血流’を開いて流れを良くします。夢とは、処理されていない感情が細胞レベルで蓄積され意識としてあふれ出たものです。パート博士は感情のブロックを解放する方法として夢を思いだして書き留めること、それに触れて描くセラピー、催眠療法、瞑想、祈り、などを薦めています。また、身体に蓄積された深く古いメッセージ(思考形態など)は、身体を通してそれに触れ、その問題に取り組む必要があります。「あなたの身体はあなたの潜在意識であり1人きりで癒すことは出来ないのです」。
ハルドル、トランジン、リスパーダル、クロザリルなどの“抗精神病薬”は神経伝達物質であるド−パミンの受容体を遮断してしまいます。この種の薬の副作用は、女性の下垂体のド−パミン受容体が遮断された時、授乳期に排卵を止めるホルモンである‘黄体刺激ホルモン’を分泌するので、生理が止まったり、慢性的な生理痛を引き起こしてしまいます。そしてその様な女性達は‘抗鬱剤’を医師から処方されます。パート女史はこれらが、癌を引き起こすような‘細胞を突然変異させる性質’を持っていることから、免疫細胞とその受容体に悪影響を及ぼすのではないか、と推測していますが、この可能性についての研究はまだ誰も行なっていません。
“白砂糖”も体液や受容体の調和を崩す薬と同じような作用をし、肝臓から出るグリコーゲンのようにエネルギーを放つ管理をしている‘フィードバックの回路’に支障をきたしてしまうのです。アルコールやタバコやその他の“嗜好品”も、受容体を締めつけ、自然な体内化学物質に抵抗しようとし、時に受容体を鈍感にしてしまうのです。またそれらは肝臓を痛め、他からの毒素を蓄積させてしまいます。“環境汚染”もまた、受容体の形体をバラバラに変化させてしまいます。このような汚染物は腫瘍の成長を刺激する事ができ、毒素が乳房の中のエストロゲン受容体を締めつけ、性ホルモンを模倣しダメージの原因となります。

 

身体と感情との関係についての研究が多くなされています
1990年に初めてケース・ウエスタン・リザーブ大学のハワード・ホールが‘免疫システムは意識の介入によって影響される’と発表しました。イメージ画像による導き(視覚化テクニック)、自己催眠、バイオフィードバック、などを使用して、白血球の粘着性を増進することができます。1980年代にはカリフォルニア州立大学サンフランシスコ校のリンダ・テモソックが、怒りなどの感情を押し殺し、自分の感情の必要性に気づいていないガン患者は、より感情表現をする患者よりも治癒率が遅いという結果を発表しました。スタンフォード大学のデービット・スペゲルもまた、感情表現はガン患者における生存率を高めると発表しました。研究により‘イメージ画像による視覚化テクニック’はガン患者の生存率を高める助けになるという事がわかりました。

 

《参考文書》
Candance Pert, Ph.D.;(Simon & Schuster Touchstone, 1997)
キャンダス・パート女史は科学者として、池に浮かぶ睡蓮のように存在する“細胞の中の受容体の研究”に
人生を捧げてきました。
Gayle Kimball, Ph.D.;(Eergy Tools)

 

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